食物繊維は普段の生活で意識して食事を摂っていても、なかなかバランスよく充分な量を摂取することはできません。厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2020年版)では、食物繊維を積極的に摂取することで生活習慣病の重症化予防に重要であるとしています。
このページでは食物繊維サプリの必要性やその選び方など食物繊維サプリについて解説していきます。
ぜひ美容や健康維持のために食物繊維のサプリメントを取り入れる際の参考にしてみてください。
食物繊維とは?
食物繊維は野菜やキノコ、海藻などに含まれている栄養素です。
食物繊維を体の必要量摂取することは、便秘の予防を始めとする整腸効果だけでなく、血糖値の上昇の抑制や血液中のコレステロールの濃度の低下など、美容や健康維持にとって多くのメリットがあることが明らかになっています。
積極的に摂取することが厚生労働省から推奨されていますが、現在日本人のほとんどが食生活の欧米化に伴い、充分な量の食物繊維を食事だけでとることができていない現状があります。
そこで効率よく食物繊維を補給するためのアイテムとして、食物繊維のサプリメントが注目されています。
しかしながら、種類やメーカー、原材料も様々なためどれを買ったらよいのか迷ってしまう人も少なくありません。
食物繊維の種類はいろいろ!水溶性食物繊維サプリメントと不溶性食物繊維サプリメントはどっちがいいの?
食物繊維サプリとひとえに言ってもたくさんの種類があります。まず多くの人が戸惑ってしまうのが、水溶性食物繊維サプリと不溶性食物繊維サプリ。どちらを選んだらよいかという問題ではないでしょうか。
さらに、同じ水溶性食物繊維サプリメントでも、聞きなれない名前の成分や原材料の違いが判らなかったりと調べているうちに面倒になって探すのをやめてしまう人も少なくありません。
そこでまずは、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の違いについて一緒に特徴を見ていきましょう。
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維の働き
水溶性食物繊維は水分を含んで、ゆっくりと体内を移動します。小腸で栄養素の吸収を穏やかにすることで食後の血糖値の上昇を抑えると言われています。
さらにコレステロールを吸着し、体外へと排出することで健康維持をサポートすると言われています。
また、大腸内の細菌によって発酵・分解され、ビフィズス菌といった善玉菌の餌となります。餌を得た善玉菌は元気になりますので、結果的に数を増やすことができれば、腸内環境を守るためにも役立つと言われています。
水溶性食物繊維の種類
今、水溶性食物繊維の中でも注目されているのが、難消化性デキストリンです。特定保健用食品(トクホ)にも使われている安全な水溶性食物繊維です。
トウモロコシのデンプンを焙炒し、アミラーゼ(食物として摂取したデンプンを消化する酵素)で加水分解します。その中の難消化成分を取り出して調製した水溶性食物繊維が難消化性デキストリンです。
- ペクチン
- アルギン酸
- イヌリン
- グルコマンナン
不溶性食物繊維
不溶性食物繊維の働き
不溶性食物繊維はその名の通り、水に溶けにくい食物繊維のことです。
腸内ではたっぷりと水を含んで膨らむことで便のカサを増やし、腸のぜん動運動を活発にします。
しかし、もともと便通が定期的でない便秘の人が摂りすぎることで、便秘を悪化させてしまうこともありますので、水溶性食物繊維とのバランスを考えて不溶性食物繊維だけを摂りすぎないように注意が必要です。
水溶性食物繊維と同様に、腸内で善玉菌の餌となります。
不溶性食物繊維の種類
菊芋やチコリ等の野菜や、エビなどの動物由来のものがあります。多孔質でボソボソ、ザラザラとした食感が特徴です。
- セルロース
- リグニン
- キチン
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のバランスが大事
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維。健康や美容において効果を実感するためには二つをバランスよく摂ることが一番効果を発揮します。
腸の健康を守るためには食事とサプリメントにおいて
水溶性食物繊維:不溶性食物繊維=1:2の割合で採れるように心がけることが、理想的だと言われています。
食物繊維の不足分をサプリメントで補給する際にも、自分の普段の食事内容と照らし合わせながらこの比率になるように、最適なサプリを選びましょう。
なぜ食物繊維のサプリメントが必要なのか
厚生労働省策定の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、一日あたりの「目標量」(生活習慣病の発症予防を目的として、現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量)は、18~64歳で男性21g以上、女性18g以上となっています。
かつては一日あたり20gを摂れていた日本人の食物繊維の摂取量は、欧米化する食生活の中で近年では一日あたり14gにまで減少しており、サプリメントやその他補助食品等で補うことが必要です。
食物繊維のサプリメントは形状がいろいろある
食物繊維のサプリメントには様々な形状があります。ライフスタイルに併せて使いやすいものを選びましょう。
①飲み物や料理に溶かして飲む顆粒タイプ
食物繊維のサプリの中で一番多い形状は、粉末状のタイプです。量の調節がしやすく、スティックタイプなどは携帯にも便利です。
最近では水にも溶けやすい微細粒のものも多く、元の味を損なうことなく食物繊維を摂取することができます。
他のタイプに比べて添加物が少なく、安全性に優れているのも特徴です。熱に強いものを選べば、コーヒーやスープ、炊飯時に一緒に入れることで溶けて飽きずに食物繊維を摂り続けることができます。
価格も手ごろな商品が多く、気軽に始められるというメリットもあります。
デメリットとしては、個包装されていない大容量の粉末は携帯に不向きです。また大容量の商品は湿気により固まってしまうこともあるため開封後は、早めに飲み切ることが必要です。
②手軽にいつでもどこでも!ドリンクタイプ
最近ではドラッグストアやコンビニでも手軽に食物繊維のサプリメントドリンクが買えるようになりました。飲みやすいフルーツとのミックスや炭酸が入っていることもあるので、ジュース感覚で飲むことができます。
ただし、糖質や保存料などの添加物には注意が必要です。また嗜好性が高い場合は、食物繊維の量が少ないケースもあります。コンビニやドラッグストアでも手軽に買えますが、手軽さゆえに単価が他に比べて高くなる傾向があります。
③サプリメントといったらやっぱりこれ!錠剤タイプ
味を感じにくいから飲みやすく、持ち運びにも便利なので外出先で飲み忘れにくい錠剤タイプ。水があればサッと飲めるので忙しい人でも習慣にしやすいのも特徴です。シートで一粒ずつ梱包されているものは衛生的なまま携帯できます。一粒の含有量には個体差がありますが、あまりたくさんの粒を一度に飲むものは、負担に感じることもありますので良く調べてから飲みましょう。
添加物は大丈夫?健康のために飲むもの。の前提を崩さない
食物繊維さえ摂っていれば、もう安心。ではありません。毎日欠かさずに飲んでほしい食物繊維だからこそ、香料や保存料、着色料、防腐剤などの添加物が含まれていないかの確認が欠かせません。購入前に成分表をよくチェックしましょう。
食物繊維の量が違う?量にも注目
見た目では同じような食物繊維のサプリメントでもそれぞれの規格量はメーカーによって異なります。
目安としてレタス●個分!のように野菜との比較を掲載しているものも多いですが、それを一つの目安とするのもいいかもしれません。
同じお金と手間をかけるのであれば、なるべく多く食物繊維を手軽に摂れるものを選びたくなってしまいますよね。
オススメの食物繊維サプリ使用方法は?
冷たい水でもサッと溶ける即溶性の細粒サプリメントはヨーグルトにふりかける使い方もおすすめ。後片付けの手間も少ないから続ける負担を感じにくいのも◎。
またどれか一つに絞らなくて、予算に合うのであれば数種類を気分やシーンに合わせて使い分けるのも楽しく続けることができます。大事なのは少しずつでもきちんと続けること。
まさに健康や美容は一日にして成らず。ですね。
皆さんも自分に合った食物繊維のサプリメントを見つけて健康維持のために始めてみては??
参考サイト:厚生労働省e-ヘルスネット:食物繊維の必要性と健康
参考文献:大塚製薬:食物繊維を摂ろう!難消化性デキストリン